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カクテル

2025年3月3日 · 文:Kiyo Darner · 約3分

瀬戸内クラフトジン:レモンの産地から、レモンと緑茶で

先に訂正を。このボトルについて以前うちが書いていた説明は、ハウスのトニックに使っているボタニカルを、そのままジンの中身として並べたものでした。別のものです。こちらがジンの話です。

日本にはレモンの産地があります

日本とレモンを結びつける人はあまりいませんが、国産レモンのほぼ全量は瀬戸内で穫れます。広島と愛媛が中心です。

理由は地形です。瀬戸内海は三つの主要な島に囲まれた内海で、日本にしては珍しく温暖で雨が少なく、島の斜面の段々畑が海からの照り返しを受ける。日本のなかでは、いちばん地中海に近い条件です。

ここには実務上の帰結がひとつあって、それがこの話では大事です。輸入レモンはたいてい輸送のためにワックスがけと防かび処理をされていて、皮は避けるものになります。瀬戸内のレモンは国内向けに、そうした処理をせずに育てられているものが多く、皮が使える。ジンでも、トニックでも、飾りでも、香気成分のほぼすべては皮にあります。日本のバーテンダーがこの果実に執着するのは、この一点のためです。

発想はレモンです

瀬戸内ジンは、レモンを数あるボタニカルのひとつとして扱うのではなく、レモンを中心に据えて組み立てられています。果実味と香りが素直に立っていて、何の酒なのかを隠しません。

果実を前に出したジンの難しさは、果実だけでは平たくなることです。香りは素晴らしいのに、口に入ると一つの音しか鳴らず、その後ろに何もない。

だからお茶がいる

そこで緑茶を合わせています。この判断が、この一本を成立させています。

お茶はタンニンを持ち込みます。タンニンとは渋みのことで、舌の脇がかすかに乾く、あの感じです。これが酒に構造と余韻を与えます。ワインで、あるいは濃く出しすぎたお茶で、タンニンがしている仕事と同じものを、ちょうどよい強さに調整して使っている。

同時に、青くほのかに旨味のある厚みも持ち込みます。これは柑橘の下にとても自然に収まります。レモンと緑茶は、逆方向からならすでに誰もが知っている組み合わせで、ここでも働き方は同じです。落ちていくレモンをお茶が受け止めて、着地する場所を作っている。

飲み方

ジントニックが素直な選択で、そして正解です。ジンを埋めてしまわないトニックを選んでください。飾りをつけるなら、くし切りではなく皮を。皮からは精油が出ます。くし切りから出るのは果汁で、このジンに柑橘はもう足りています。

お茶を味わいたければストレートか氷で。炭酸が邪魔をしないぶん、緑茶の輪郭がずっとはっきりします。

ロンドンドライのジュニパーが強すぎると感じる方にも向いています。ジュニパーはちゃんといますが、グラスの中でいちばん大きな声ではありません。

季節のカクテルに何が入っているかも聞いてみてください。こういうジンは、そちらに回ることが多いので。