2025年3月2日 · 文:Kiyo Darner · 約4分
焼酎のラベルの読み方:麹、蒸留、そして原料
焼酎について最初に聞かれるのは、ほぼ必ず「原料は何か」です。芋、麦、米、そば。
もっともな質問ですが、ほとんど役に立ちません。同じ芋焼酎でも、原料が同じとは思えないほど味が違うことがあります。しかもその理由は、芋ではありません。ラベルにはもっと大きく効いている要素が二つあって、それを知っていれば、注文する前にグラスの中身がだいたい想像できます。
まず、本格焼酎かどうか
日本の酒税法は焼酎を二つに分けています。いちばん効いてくるのが、この区分です。
甲類は連続式蒸留。何度も蒸留を繰り返すので、原料の風味はほとんど残りません。澄んでいてクセがなく、安価で、割って飲むためにあります。日本の缶チューハイの多くはこれが土台です。悪いものではありませんが、ラベルの原料表記はあまり意味を持ちません。工程で抜けてしまっているからです。
乙類、つまり本格焼酎は、単式蒸留で一回だけ蒸留します。一回だけ。原料と発酵が生んだものが、そのまま残ります。二度目がないので、取り除かれないのです。
味のある酒か、味を消した酒か。分かれ目はここです。うちで出しているものは、すべて本格焼酎です。
次に、どの麹か
日本の外ではほとんど知られていないのに、原料以上に味を決めているのがこれです。
焼酎は麹で発酵させます。日本酒や醤油、味噌と同じ麹です。そして麹には三色あり、置き換えは効きません。
黒麹は沖縄から北上してきました。もともと亜熱帯の気候で泡盛を造るために使われてきたものです。クエン酸を多く生むので暑さのなかでも腐りにくく、酒にはしっかりしたコクと、切れのある鋭さが出ます。銘柄に「黒」とついていたら、たいていこれを指しています。黒霧島の黒は、芋ではなく麹の色です。
白麹は黒麹から自然に生まれた変異株で、二十世紀の初めに見つかりました。扱いやすいため業界の主流になりました。仕上がりはやわらかく丸く、原料の香りが強く出るのではなく、穏やかに立ちます。
黄麹は日本酒の麹です。南の気候では傷みやすく扱いが難しいので、焼酎ではあまり使われなくなりました。それでも使い続ける蔵があるのは、ほかでは出せない華やかで果実のような、吟醸香に近い香りが返ってくるからです。富乃宝山がそれで、あの柑橘のような香りは、芋ではなく黄麹の仕事です。
そして、どう蒸留したか
方法は二つ。結果は正反対になります。
常圧蒸留は伝統的なやり方で、通常の気圧、高い温度で行います。重い香気成分も一緒に上がってくるので、豊かで、油分を感じる、いかにも「何かから造った」味わいになります。
減圧蒸留は蒸留機内の気圧を下げ、100度近くではなく40〜50度で沸かします。重い成分は上がってきません。結果として軽く、やわらかく、澄んで果実的な、クセの少ない酒になります。
同じ県の芋焼酎どうしがまるで別のカテゴリーのように感じられるのは、これが理由です。一方は熱く蒸留され、一方は冷たく蒸留されている。
そのうえで、ようやく原料
ここまで分かって初めて、原料の話が意味を持ちます。
芋がいちばん主張します。麦は軽く、香ばしい。米は日本酒にいちばん近い。そばはこのなかでもっとも穏やかです。黒糖は奄美群島でしか造れず、澄んでほのかに甘い。ほかに緑茶、ごま、しそなどもあります。だいたいは、誰かが面白がって始めたものです。
飲み方
ラベルどおりの味を確かめたいなら、ストレートかロックで。水割りは日本の日常の飲み方で、度数が高いままでは閉じている香りが開きます。お湯割りは冬の飲み方で、働きがまた違います。温度で香りが立ち上がり、口をつける前に鼻に届く。先にお湯を注いでから焼酎を入れると、混ぜなくても自然に混ざります。
うちのラインナップ
焼酎のリストはこの街でも厚いほうだと思いますが、中身は動きます。ここに一覧を書いても古くなるだけなので、メニューに載せてあります。
まったく初めてなら、「はっきりしたもの」か「静かなもの」か、それだけ伝えてください。それだけで、たいてい合う一本をご案内できます。
そして、本当に知りたいのが「何で割るか」なら、そのための別のサイトを作りました。焼酎を選ぶと、何と合うのか、なぜ合うのかが出てきます。
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