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ビール

2026年5月4日 · 文:Kiyo Darner · 約3分

バラデン シャウユ・フーメ:ピートのウイスキー好きへ

これは飲む人を選びます。なので先に注意書きから。きりっと冷たいものが飲みたい日は、うちのリストのほかのどれかを頼んでください。煙が好きで、一杯とじっくり向き合うのが好きなら、この先を読んでください。

なぜ仕入れたのか

Jurakuを始める前、僕はピーテッドウイスキーにどっぷりでした。とくにラフロイグ。あの重くて煙たくて、どこか薬みたいな感じは万人向けではありませんが、はまる人にとっては代わりがききません。

シャウユ・フーメは、その渇きをちゃんと満たしてくれます。しかもビールグラスで出てくる。そこがこの一本のおかしみです。

何なのか

バラデンは1996年にテオ・ムッソが立ち上げたイタリアのブルワリーで、以来ずっと「ビールとはこういうもの」という前提を無視し続けています。シャウユはその酸化熟成シリーズ。空気を遮断するのではなく、酒精強化ワインのように、あえて空気に触れさせながら熟成させたビールです。

フーメは、その工程をピーテッドウイスキーの空き樽で行ったもの。

そこから二つのことが決まります。どちらも、たいていの人が予想していないことです。

炭酸がありません。 まったくのゼロ。濃いルビー色で、静かで、泡は立ちません。泡が出てきたら何かが起きています。

ゆっくり飲むためのものです。 酸化熟成は、シェリーやトーニーポートに通じる奥行きを生みます。冷たいまま急いで飲むと、ただ不思議な味がするだけ。常温に近づけて時間を置くと、開いてきます。

味わい

香りは煙、焼いた麦芽、黒糖。口に含むと豊かでほのかに甘く、煙は表面に乗るのではなく全体に織り込まれています。余韻は長く温かく、飲み込んだあとも煙が残ります。

力強いのに、暴れません。ピートは主張ではなく骨格として働いています。

飲み方

少量ずつ。軽く冷やすか、セラー程度の温度で。冷蔵庫の冷たさは避けてください。注いだら数分は放っておいて、グラスの中で開かせます。

この一本で唯一の失敗は、急ぐことです。

合わせるなら

煙には煙が合います。ハラミの串焼き、炭のあたった焼きもの、味の濃い料理。熟成したチーズにも寄り添います。

こんな人に

だいたいはピーテッドウイスキーを飲む人。メニューに煙たいものがあれば頼んでしまう人。カテゴリーどおりにふるまわない飲みものを探している人。

ラフロイグが好きなら、頼んでみて、10分だけ待ってみてください。