2025年1月28日 · 文:Kiyo Darner · 約3分
カップ酒は、東京オリンピックが開いた日に発売されました
カップ酒には評判がついて回ります。駅、自販機、ひとりで飲むもの。当たっている部分もあります。ただ、ほとんどは古い話です。
1964年10月10日
これが発売日で、偶然ではありません。東京オリンピックの開会式の日です。
発案は大関の十代目、長部文治郎。中身は身も蓋もないものでした。容器から直接、どこででも飲めるものを作る。酒器もいらない、燗もいらない、他に何も要らない。一合、180ml、上にプルタブ。
うたい文句は「いつでも、どこでも」。狙いは、それまでの日本酒の飲まれ方に縛られていない若い層でした。当たりました。ワンカップ大関はそれ以来、累計で四十五億本ほど出荷されています。
なぜ180mlが正解なのか
一合は、日本酒一人前の伝統的な単位です。徳利に入る量でもあります。
つまりカップは、新しい分量を発明したわけではありません。すでにあった分量から、まわりのものを全部取り除いた。見た目より小さな発想で、そのぶん優れています。飲み方は何も変わっていません。変わったのは器だけです。
そして実際、ちょうどいい量です。腰を据えるには足りて、飲み切るか残すかの二択になる一本を抱えることにはならない。
評判と、変わったこと
長いあいだ、この形式は安い酒を意味しました。安い酒が入っていたからです。コンビニ、駅の売店、自販機、駅弁の隣の新幹線ホーム。
最近になって起きたのは、まともな蔵が、一人前で、密閉されていて、分量の整った容器を見て、ここに悪い酒が入っていなければならない理由はないと気づいたことです。いまでは純米も吟醸も大吟醸もカップに入っていますし、外側の絵柄そのものが収集の対象になっています。
形式に問題があったことは一度もありません。中身の問題でした。
うちに置いているもの
二種類あって、意図的に方向を変えています。
開華 さのまるは、栃木で最も古い蔵の特別純米で、カップには市のマスコットが描かれています。見た目が主張しているより、ずっとしっかりした酒です。
菊水 パーフェクトスノーは21度のにごり。無加水としても高い数字で、日本でいちばん売れているにごりです。
ここで頼む理由
日本酒がまだ分からないなら、これがいちばん安く自分の好みを知る方法です。説明文だけを頼りに四合瓶を選ぶ必要もないし、まず誰かにリストを解説してもらう必要もありません。
開けて、飲んで、決める。そのあとで、本当に飲みたいものを頼んでください。
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